日経ビジネス |
投稿:すぎやま |
突然ですが、今の日本の歯科の現状について日経ビジネスon lineに興味深い記事が載っていました。 「虫歯は治せば治すほど老後がつらい…」 というタイトルです。 興味のある方は、下のリンクをご覧ください。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140613/266808/?n_cid=nbpnbo_top_updt 簡単に言えば、虫歯で歯を削ると、何年後かに再治療が必要になる。 そして治療を重ねるごとに、どんどん歯を削る量が増えていき、最終的には抜歯…それを防ぎたいなら予防しかない、といった内容です。 「治療した歯がまた治療を必要とするようになる」 歯医者であれば、毎日いやというほど痛感しているテーマだと思います。 歯をダメにしたくないから、何とか予知性の高い治療を提供しようと、毎日勉強と試行錯誤を繰り返しているのが現状です。 確かに予防はどんな治療にも勝る、最高の医療だと思います。その点においては議論の余地はないと僕も思いますし、治療に医療費をかけるくらいなら、予防に医療費を使う方が何倍も有意義な使い方だと思います。 しかし、治療と予防を同じ土俵で議論するのはいかがなものかと感じます。 予防が一番!というような主張は、すでに問題を抱えている患者さんを無視した歯医者のエゴではないでしょうか? 僕は今から20年ほど前、高校の部活で前歯を5本折りました。その時、一宮高校の学校医だった国藤先生に、日曜日であるにもかかわらず、露出した神経の処置をしていただき、痛みが無くなってとても楽になりました。 その後、何度もかぶせをやり替えていますし、今も、もしかしたら前歯を失うかもしれない、といった不安を常に抱えています。いまだに歯が折れて前歯を抜く夢を見ることもあります。 実際に今現在、虫歯や歯周病で悩んだり、苦しんだりしている患者さんもいる中で、極端な報道や記事で、「治療より予防をする歯医者の方が良い歯医者!」というような誤解を招く主張は、本当にやめてもらいたいと思います。 僕の周りの先生方は皆さん、再治療が必要ないように一生懸命治療をしている先生方ばかりです。 僕も予防の大切さを訴えていますし、当院の方針は予防中心です。 でも、しっかりとした、予知性の高い治療を行ったうえで、同じような思いをしないためにしっかりと予防していくことが、本当に必要なことだと、奇をてらわず、真実を伝えてほしいものです。 |
2014年6月20日(金) |
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